2020年03月04日

卒業式 式辞

本日は三月三日、桃の節句です。日一日と温かさが増し、桃の花のつぼみがだんだんと膨らみはじめてきました。皆さんと、先生や職員で今できる最高の気持ちを込めた卒業式を一緒に作りましょう。

20名の卒業生の皆さん、卒業おめでとうございます。
皆さんが入学したての一年生の四月、平均身長は117㎝でした。先月は153㎝、この六年間で36㎝も大きくなりました。心身ともに大きく成長した皆さんが、今日の日を迎えることができたのは、本当に喜ばしいです。

私はこの一年、皆さんの活躍する姿から、元気や感動をたくさんもらいました。

四月の「作手ハッピープロジェクト」の発表には、感動しました。皆さんの力が、作手の人たちをどれだけ元気にしてきたことでしょうか。立派な六年生だとびっくりしました。二年間にわたるボランティア活動の経験は、この先必ず役に立ちます。

そして、「輝け作手 パワーアップ76」のスローガンは、まさに皆さんのハッピープロジェクトを全校に広げたものでした。年の初めに、自分たちで全校スローガンを決めて取り組んでいる小学校は、まだ多くはないでしょう。頼もしさを感じました。

球技大会、市内駅伝大会では、男女ともよくがんばりました。試合ではつい勝った、負けたと結果ばかり見てしまいがちですが、実はその結果にたどり着くまでの途中が大切です。勝つことがすべてではありませんが、それぞれの立場で、勝利に向けてチームのみんなが一つになったことと、力を出し尽くすことの意味を、練習や大会から感じ取ったのではないかと思います。

今年、日本中を沸かせたラグビーワールドカップで活躍した福岡堅樹選手は、決勝トーナメントの南アフリカ戦に敗れたとき「何一つ後悔はありません。」と答えました。力を出し尽くし、ベスト8という目標を達成したからなのでしょうか。なかなか言える言葉ではありません。中学校は、小学校とはまた違った楽しさがいっぱいあるところです。定期テストや部活動の大会もあります。「何一つ後悔のない」準備ができれば福岡選手のように格好よいですが、まずは自分の力を少しでも高めて、大会で経験したようにすべてを出し切る努力をしてください。それが成長になり、中学校生活を楽しむことにつながります。

運動会では、ダンスと一輪車、ドリル演奏を下級生に教え、リーダーシップを発揮していました。皆さんはふだんから、下級生の面倒をよく見ていました。登下校は言うまでもなく、給食のお代わりじゃんけんの時、低学年の子にはじゃんけんなしで優先的に分けていました。下級生が六年生を慕うのは、行事の時だけでなく、ふだんからこのように優しく接していたからだと思います。

さて、皆さんが作手小に入学してきた時は、まだ南北校舎でした。三年生の終わりには校舎とのお別れ会を行い、四年生からは新校舎になりました。なかなかできない経験です。

六年生の今年は、台風による運動会の短縮開催と修学旅行の延期、今回の卒業式と、予定通りにいかないこともありました。

皆さんがこの先、生きていく上では、時には予定通りにいかないこともあります。大人になった時には、英語がふつうになり、AIやロボットが想像もできない社会を作り上げていることでしょう。皆さんは、英語もがんばってきましたし、普通の小学校ではできない経験もたくさんしてきました。この先、令和の時代が進んでどんな社会になっても、この作手小で学んだことを生かして、たくましく生き抜いていってください。科学が一段と進んだ楽しみな未来が、皆さんを待っています。

二月最後の登校日、お手紙ポストに男女それぞれの子から「六年間ありがとうございました。いろいろあった六年間でした。とても楽しく過ごすことができました。」とありました。六年生の気持ちを代表して書いてくれたのかなと思いました。感謝の気持ちが持てる皆さんのことを、ここにいる先生たち、職員もうれしく、誇りに思います。
 
私たちは、皆さんを応援しています。そして、作手の人たちは、みんな温かいです。何か困ったことがあっても、必ず誰かが力になってくれます。

ぜひ、強い気持ちと周りの皆さんへの感謝の心を忘れずに、目標を持った中学生となってください。

最後に、二つ約束してください。一つ目は、この先ずっと自分の命を大切にすること、二つ目は、今日この場に参加できなかった家の人に、「今までありがとう」の言葉を添えて、卒業証書を手渡すことです。お願いします。
以上、皆さんへのはなむけの言葉とします。

 令和2年3月3日  


Posted by 作手小学校 at 16:53校長室から